納入不足懸念も積極対応せず 納品業者と道の駅 「白楊豚」別の肉販売問題 原因など両者の説明に食い違い

「白楊豚」として別の豚肉が納品、販売されていた道の駅たかねざわ元気あっぷむら=2日午後、高根沢町上柏崎

 道の駅たかねざわ元気あっぷむら(栃木県高根沢町上柏崎)で、宇都宮白楊高の生徒が育てた「白楊豚」として別の豚肉が販売されていた問題で、納品していた宇都宮市東宿郷5丁目の食肉加工卸「渡清」と道の駅がいずれも問題発覚前から、白楊豚の供給不足を懸念していたことが2日までに、下野新聞社の取材で分かった。懸念を抱きながらも積極的な対応はせず、別の豚肉の納品、販売が続いた。問題の原因などに関しては、双方の説明が食い違っている。

 問題は、10月6日に外部の精肉業者から道の駅側に「白楊豚の供給量と(道の駅の)消費量に不整合があるのではないか」との情報があった。道の駅側が渡清に問い合わせて発覚した。

 道の駅側によると、同社と取引を始めた2年後の2022年、宇都宮白楊高側から道の駅側に「(白楊豚の)商品の数が増えているけど大丈夫か」と、心配する声があった。道の駅側が同社の担当者に確認したところ、「大丈夫です」と答えたという。

 今年4月にも同様のやりとりがあり、その際には同社の担当者は「(供給が不足する)心配もある」と返答。道の駅側は「納入できないのであれば、それに合わせた数量限定などの販売をしたい」と伝えたが、その後に同社から白楊豚が納品できないなどの申告はなかったという。

 道の駅側は同社を信用して同社の仕入れ量や在庫数の確認など具体的な調査をしなかった。そのため問題の発覚が遅れた。阿久津和男(あくつかずお)駅長は「信頼の上で取引し、最善を尽くしたつもりだが、結果的には甘かった」と話した。

 一方、10月上旬に問題を知ったという同社の渡辺秀夫(わたなべひでお)社長は、これまでの下野新聞社の取材に対し「(現場は)2年くらい前に(白楊豚を納品できる量が)足りなくなると、道の駅に伝えていた」と説明。

 「(納品が供給に)追い付かないと何回も話したが、(道の駅側から)返事がなかった」などと別の豚肉を納品するようになった経緯を語り、同社からの指摘はなかったとする道の駅側との食い違いが浮き彫りになっている。

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