堀ちえみさんの娘号泣、舌がんステージ4で一時は緩和ケアも考えていた 激痛の口内炎と思っていたら一転、手術決断の心境語る 娘の涙を見て「家族のために生きなければ」、今は歌手復帰 娘の晴れ着姿を見て「本当に生きて良かった」

「舌がんステージ4から希望へのステージへ」を演題に講演した堀ちえみさん=10月29日、熊谷市桜木町の市立文化センター文化会館

 埼玉県の熊谷市歯科医師会は10月29日、同市桜木町の市立文化センター文化会館で、創立90周年記念フォーラム「輝く100年に向かって~人生100年時代 元気で長生きは歯と口の健康から~」を開催した。歌手で俳優の堀ちえみさん(56)が「舌がんステージ4から希望へのステージへ」を演題に講演。手術を行う契機となった娘の晴れ着姿を見ることができ、「本当に生きていて良かった」と語った。

 堀さんは大阪府堺市出身。第6回ホリプロタレントスカウトキャラバンで芸能界入りし、1983年に出演したドラマ「スチュワーデス物語」が大ヒットした。2019年2月にステージ4の舌がんであることを公表したが、手術を行ってリハビリ後、歌手としても復帰を果たした。

 講演で堀さんはさまざまな病院を受診したが、口内炎だと思っていた症状が治らなかったことを紹介。激痛に見舞われた後に大学病院で舌がんと判明し、手術や化学療法を諦め、痛みを和らげる緩和ケアを一時考えた。だが、当時高校生だった娘が号泣し、「痛みから逃げようと思ったけど、家族のために生きなければならないと思った」と手術を決断したことを明かした。

 東京歯科大学口腔(こうくう)腫瘍外科学講座の野村武史教授が「お口の中にもガンができる―口腔がん早くみつければ怖くない!―」、元NHK科学・環境番組部専任ディレクター北折一氏が「ついでにコロナ予防!あと5キロ簡単に痩せとく秘訣(ひけつ)」をテーマに講演。「人生100年時代、口腔がん検診を考える」と題したパネルディスカッションも行われた。

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