首都高と東北道結ぶルート下に…見沼田んぼの自然環境、景観保護訴え、市民団体が「反対」意見書を提出

見沼田んぼ高速道路計画 市民団体、「環境壊す」

 核都市広域幹線道路建設計画を巡り、埼玉県さいたま市内の大規模緑地「見沼田んぼ」がルートになるとして、市民団体「見沼たんぼの中心地域での高速道路建設計画に反対する会」(水野晶子代表)は2日、清水勇人市長、首都高速埼玉新都心線東北道延伸促進議員懇話会の村井英樹会長、国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所長らに、反対の意見書を提出した。同会は「見沼田んぼの自然環境、景観を壊す」と訴えている。

 大宮国道事務所、県、市は慢性的な渋滞解消を目的に、首都高埼玉新都心線見沼インターチェンジ(IC)から東北道(浦和IC―岩槻IC間)付近を結ぶ高速道の計画を検討。見沼田んぼを通る可能性が高く、有識者は地元検討会で、環境、景観、生態系への配慮が必要と指摘した。

 建設ルートは未定とされているが、同会の北原典夫事務局長は「高速道路の通過地区は見沼田んぼの中心的な地域で、最も重要な環境、景観を持った地域。高架道路は見沼田んぼの価値を致命的に損なう」と話した。高額な建設費や浦和ICから近距離のIC建設は危険とも訴えた。

 同会は9月25日、地元の自然保護団体のメンバーら20人が発起人となり発足。反対の署名活動を開始し、ネット署名も近く始める。

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