グリエルJr.は契約条項によりクオリファイング・オファーの対象外に

ワールドシリーズが終了し、各球団は自軍からFAとなった選手たちに対してクオリファイング・オファーを提示するかどうかを5日以内に判断しなければならない。今季のナ・リーグ王者ダイヤモンドバックスは、ルルデス・グリエルJr.に対してクオリファイング・オファーを提示するかどうか、難しい判断を迫られることになると思われていたが、契約のなかに「クオリファイング・オファーを出せない」という条項が含まれていることが明らかになった。

これは地元紙「アリゾナ・リパブリック」のニック・ピエコロ記者が伝えたものである。先月30歳の誕生日を迎えたグリエルJr.はダイヤモンドバックス移籍1年目の今季、自己最多の145試合に出場して打率.261、24本塁打、82打点、5盗塁、OPS.772を記録。自身初のオールスター・ゲーム選出を果たした。また、守備面でも左翼手として守備防御点+14をマークするなど、安定した働きを披露。クオリファイング・オファーに関しては、提示される可能性もある「ボーダー候補」とみられていた。

しかし、ピエコロ記者によると、そもそもダイヤモンドバックスにはグリエルJr.に対してクオリファイング・オファーを提示する権利がないという。2016年11月、グリエルJr.はブルージェイズと7年契約を結んだ際に「サービスタイムに関係なく契約満了時にFAとなること」に加えて「FAとなった際にクオリファイング・オファーを提示しないこと」を条項に盛り込んでいたのだ。

クオリファイング・オファーを提示され、それを拒否した選手が他球団と契約した場合、新規獲得球団にはドラフト指名権などのペナルティが発生するため、そうした選手の獲得を躊躇するチームもある。争奪戦に加わるチームが少なくなれば、おのずと契約条件もダウンする可能性があり、グリエルJr.側にはそうした状況を回避したいという狙いがあったのだろう。

契約時に盛り込まれていた条項により、グリエルJr.はクオリファイング・オファーと無関係の選手としてFA市場に出ていくことになる。20本塁打&80打点を期待できる打撃力と安定した守備力を誇る30歳の左翼手は、FA市場でどんな評価を受けることになるのだろうか。

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