日本の使い捨てカイロがウクライナで大好評 京都市、姉妹都市キーウへ35万個追加発送

ウクライナに送るため、神戸港に運び込まれた使い捨てカイロ。現地では大変喜ばれているという(神戸市)=京都市提供

 京都市が昨冬、姉妹都市のウクライナ・キーウ市に使い捨てカイロを支援物資として送ったところ、現地で大変な好評で、京都市は10月、さらに35万5千個を追加で発送した。ロシアによるインフラ施設への攻撃で現地では防寒対策が急務になる中、日本発の防寒具が人気を集めている。

 キーウ市長から防寒支援の要請を受け、市は寄付金を活用し昨年12月と今年1月の2回に分けて、災害時用毛布計2500枚、カイロ5万5千個を送った。今夏、京都市が「いま必要な物資は何か」と尋ねたところ、キーウ市から「(前に送ってもらった)カイロが特に需要が高く、重宝している」との返答があったという。

 このため、市は3回目となる支援物資をカイロに絞った。過去の2回は緊急に送る必要があったため、航空便を利用したが、今回は船便に変更し、大量のカイロを送ることができたという。ポーランドまで海路で運び、陸路で12月中に現地に届く見通し。

 カイロは暖房設備が整った避難所に行くことが難しい高齢者宅に配布される予定。カイロメーカーでつくる日本カイロ工業会(東京都)によると、現在のような使い捨てカイロは1970年代に日本企業が商品化し、海外ではあまり普及していないという。担当者は「カイロを知らない海外では『こんな便利なものがあるんだ』との声を聞く。こういう形でカイロが注目されるのは喜ばしい」と話している。

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