【アルゼンチン共和国杯/追い切り診断】人気一角の実績馬に辛口「B」評価 「ラストはもっと切れて良かったが……」

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■ヒートオンビート

【中間調整】昨年は春の天皇賞で4着、七夕賞2着、そしてアルゼンチン共和国杯で3着など常に重賞で上位進出。なぜか勝利だけが縁遠かった実力馬だが、今年6月の目黒記念で後方から鋭い差し脚を繰り出し、ようやく待望の重賞初勝利を挙げた。夏は休養に入り秋は京都大賞典から。4番人気に支持されたものの、直線でモタれてしまい、さらに挟まれるシーンもあって1秒0差の9着に終わっている。

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その後昨年3着だったアルゼンチン共和国杯に進むのは当初からの予定通り。在厩で調整され、プール調整などを経て10月19日にCW14-14をこなしたのが初時計。26日の1週前追いではアーティット、ユーキャンスマイルと一緒に、同じアルゼンチン共和国杯に出走する“友道三銃士”での併せ馬を行い、先導役を務めたが直線での粘りを欠きそれぞれに遅れ入線となっていた。

【最終追い切り】坂路で単走。負荷は1週前でしっかり掛かっているということか、馬なり調整に留まっている。道中はやや集中できておらず、ラストもそこまで切れず一本調子な走り。それでも踏み込みそのものは力強く、体調面には問題なさそう。

【見解】そこまで派手に動くタイプではないが、前走時の動きは硬さが残るなど明らかに物足りなさがあり、それが直線でモタれ9着と案外な着順に終わった要因だろう。そこを使われ、硬さはいくぶん解消。前走よりはいい状態で走れそうだが、その前走が悪すぎた分、まだ本来の状態に戻り切っていないようだ。最終追いでは脚がしっかり溜まっており、ラストはもっと体を沈めて切れて良かったはずだが1F12秒6止まり。まだ良化途上といった感がある。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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