アーセナルがニューカッスルとの激闘に敗れて今季リーグ初黒星…冨安健洋は左右SBでフル出場【プレミアリーグ】

[写真:Getty Images]

プレミアリーグ第11節、ニューカッスルvsアーセナルが4日にセント・ジェームズ・パークで行われ、ホームのニューカッスルが1-0で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋はフル出場した。

前節、ウォルバーハンプトン相手に逃げ切り失敗で手痛いドローとなった6位のニューカッスル。それでも、昨季の決勝再現カードとなったEFLカップでは大幅にメンバーを落としたなか、敵地でマンチェスター・ユナイテッドに3-0の快勝を飾った。今季リーグ無敗の難敵を迎え撃った一戦ではボトマン、イサク、トナーリら離脱中の一部主力を除く現状のベストメンバーで臨んだ。

一方、2位のアーセナルは前節、リーグ最下位に沈むシェフィールド・ユナイテッドを5-0で一蹴。エンケティアのハットトリックに冨安の初ゴールと実りある内容となった。ただ、若干のターンオーバーで臨んだEFLカップでは不調のウェストハム相手に今季最多3失点を喫して惨敗。今季公式戦2敗目を喫することになった。その敗戦からのバウンスバックを図った難所での一戦では先発6人を変更。サリバやサカ、マルティネッリ、ライスら主力と共に冨安が左サイドバックで第2節クリスタル・パレス戦以来となるリーグ戦でのスタメン起用となった。

試合は前から相手のビルドアップに強い制限をかけ合う激しい入りに。立ち上がりは中盤での潰し合いが目立ったが、アウェイのアーセナルがより深い位置までボールを運んでいく。10分過ぎにはカウンタープレスで奪い切った冨安がエリア外から強引にシュートを狙うが、これはDFにブロックされてCKとなった。

互いに相手のやり方をある程度把握したことで、徐々に試合が落ち着いていくかに思われたが、以降もターンオーバーの応酬が続く。その球際の争いをライスを中心により優位に進めたアーセナルだが、クロスやシュートの場面でしっかりと身体を張るホームチームの堅守をこじ開けるまでには至らず。

前半30分過ぎ以降はニューカッスルも押し返し、試合は完全にイーブンの展開に。その中で序盤から激しい肉弾戦を繰り広げていた両チームは、ハヴァーツのロングスタッフに対する強烈なハードタックルを巡ってヒートアップ。小競り合いの中で主審に執拗な抗議を行ったマグパイズの3選手にイエローカードが出されると、怒れるホームサポーターのボルテージが一気に上がった。

このサポーターの熱量に呼応するように前半終盤にかけてはニューカッスルが攻勢を強める。とりわけ、右サイドのアルミロンとトリッピアーのコンビがより攻撃的な振る舞いを見せたが、アーセナルも冨安やガブリエウらが粘り強い対応で決定機まで持ち込ませなかった。

見応え十分の前半45分の攻防を経て試合はゴールレスで後半に突入。ニューカッスルは前半腰を痛めたバーンに代えてリヴラメントを右サイドバックに投入。トリッピアーが左にポジションを移した。

立ち上がりはアーセナルがやや押し込む入りとなったが、ニューカッスルもウィルソンのポストワークからアルミロン、ゴードンの連携でロングカウンターを完結させるなどしっかりと応戦する。

徐々に膠着状態に陥ったなか、先に動いたのはニューカッスル。63分にアルミロンとウィルソンを下げてウィロック、マーフィーを同時投入。この交代で3トップは右からマーフィー、ゴードン、ジョエリントンという並びに。

すると、この交代直後の64分に試合が動いた。ニューカッスルのカウンターからボックス右でマーフィーが放ったシュートが枠の左に外れて左サイドのコーナーフラッグ付近へ流れる。ウィロックがゴールラインぎりぎりで残して浮き球のクロスを入れると、GKラヤの上を越えたボールに反応したジョエリントンがDFガブリエウに競り勝って落とすと、ゴードンが無人のゴールへ蹴り込んだ。

この場面ではマーフィーのシュートが流れた際にゴールラインを割ったか、ジョエリントンの競り合いの際のオフェンスファウル、ゴードンのオフサイドと3つの事象がVARで確認されたが、最終的にゴールが支持された。

敵地で先制を許したアーセナルはすぐさま反撃を開始。73分にはホワイトを下げてジンチェンコを左サイドバックに投入。これで冨安は右サイドに移った。

さらに、80分付近にはアーセナルがエンケティア、ジョルジーニョに代えてトロサール、ファビオ・ヴィエイラを投入。一方のニューカッスルは肩を再負傷したマーフィーがイン・アンド・アウトの形となり、リッチーがスクランブル投入された。

その後、試合最終盤の攻防ではアーセナルがリスクを冒して人数をかけた攻めを仕掛け続けるが、1点を守り抜く形を取ったニューカッスルの堅守に手を焼く。際どいクロスやシュートシーンはあるものの、相手の迫力のある寄せも影響してか、シュートがことごとく枠を外れる。

結局、終盤の猛攻も実らず、後半は枠内シュート0に終わったアーセナルは、ニューカッスルにこのまま逃げ切りを許した。

そして、タフな上位対決を制したニューカッスルはリーグ2戦ぶりの白星を挙げ、週明けのチャンピオンズリーグ(CL)のドルトムント戦に大きな弾みを付けた。一方、今季リーグ戦初黒星となったアーセナルは公式戦2連敗に。

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