今年の8月で16歳になるチワワがおります。昨年末ごろから両目の白内障が進み、ほぼ見えていないようで壁など障害物にぶつかるようにりました。あわせて右側にぐるぐる回る旋回行動が始まり、時には小さな円で早く周りすぎて自分で目がまわり最後によろめいて倒れてしまっています。心臓と腎臓が悪くMRIなどは難しい状況です。飼い主として普段どのようなことをしてあげられるか教えてください。(チワワ、さくたろうのかぞくさんの相談)【お答えします】福井県獣医師会 開業部会 おちたに獣医科病院(福井県小浜市)落谷吉叙院長
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近年、人に比べて年を取るスピードの速い犬の世界でも長寿高齢化社会となり、看護についていろいろな問題が出てきました。犬や猫の介護は、人のそれに比べて直面するまでのスピードが速く、心の準備ができないまま介護生活に突入してしまうことが多いと思います。そこで、生活の中で少しでもお役に立たれば…と、目や耳の老化、介護法について書いてみました。
目が白く、耳も衰えた…犬や猫を安心させる方法
年齢と共に目が白く(白内障)なり、目が見にくくまた聴覚も衰えてきたと思われたら、なるべくワンちゃんやネコちゃんに話しかけてください。そして、話し掛けながらそっと肩や背中をさわってあげてください。
音が聞こえないと不安になり、大声で鳴いて誰かを呼ぶことがあります。反対に音が聞こえると、近くに誰かがいると分かりホッとします。
⇒初めての老犬介護、獣医師に聞く生活空間の作り方
犬や猫の白内障、どう見えている?
白内障になると、目の前に「すりガラス」があるかのように見え、年齢を重ねるとそのスリガラスがだんだん濃くなります。色が薄い時期は物の輪郭はある程度見えていますが、黒い物が動いているとしか分かりません。ですから、黒いものが急に動くとびっくりします。
加齢と共に「すりガラス」が濃くなり、やがて目の前が真っ白になると、まるで深い霧の中にいるのと同じになります。こうした場合、どちらか一方向に円を描きながら歩くことがあります。例えば、車酔いになった状態といえば分かりやすいでしょうか。
⇒老化や肥満で発症する「変形性脊椎症」とは
これは、耳の中の前庭(ぜんてい)と呼ばれる部分が正常に働かず、体のバランスが取れなくなるためです。高齢の犬に多いですが、病気や腫瘍の場合もあるので、早めに最寄りの動物病院で受診して下さい。
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