信号機のない横断歩道で車両の一時停止義務の徹底を図ろうと、横断歩道を予告する道路標識「ダイヤマーク」の下地のカラー化を進めている栃木県警がその効果を測定したところ、57カ所全体の一時停止率は45.1%でカラー化前よりも12.9ポイント上昇していたことが4日までに、県警交通規制課のまとめで分かった。課は「カラー化しなくても止まるのが理想だが、上々の効果」と受け止め今後も整備を進めたい考え。一方で「まだ半数は止まっていない」と気を引き締め、ダイヤマークの周知なども図る。
ダイヤマークは、信号機のない横断歩道手前の路上に白色で示されている。車両は歩行者がいる際は一時停止しなければならない。
県警は6~8月、下地を緑色に舗装する事業を県内20市町の通学路や事故発生箇所などで実施。県総合文化センター付近など宇都宮市に11カ所、足利市4カ所、小山市3カ所、那須塩原市4カ所など計57カ所で整備した。
同課によると、5月と9月に行った効果測定の結果、57カ所の計2646台の車両のうち、1193台が一時停止し、その率は45.1%に上った。カラー化前は2273台中732台の32.2%だった。
各所をみると、一時停止率は47カ所でカラー化前より上昇。一方で7カ所は低下し、3カ所は変わりなかった。
30~50ポイント近く向上した箇所もあり、鹿沼市茂呂の国道121号では49.2ポイント増の90.9%となった。宇都宮市五代小近くでは40.9ポイント増の76.2%、下野市南河内第二中近くでも36.9ポイント上昇して56.3%となった。
カラー化について県民からは「横断歩道に気が付きやすくなった」「もっと増やしてほしい」など好評の声があったという。
同課の野澤健夫(のざわたけお)次長は「主に小学校付近のカラー舗装を2、3倍まで増やせればいい」と話す。また「ドライバーは横断歩道に人がいたら止まれるように、ダイヤマークを意識してほしい」と改めて呼びかけている。