長崎国際大生 おくんち存続に一役 佐世保・三川内山 みこし担ぎ、動画撮影も

地域の人と一緒にみこしを担ぐ学生と留学生=佐世保市三川内町

 長崎国際大(長崎県佐世保市ハウステンボス町)の学生や留学生らは10月25日、同市三川内山地区の伝統行事「三川内山おくんち」にみこしの担ぎ手などで参加。少子高齢化が進み、人手不足で継続が危ぶまれている行事の存続に一役買った。
 同大人間社会学部国際観光学科の佐野香織准教授の研究と、ゼミ生の活動である「おくんちの記憶プロジェクト」の一環。写真や文書などがほとんど残っていない同おくんちの記録を残したり、地域との関わりをつくる契機を模索したりする取り組みで、昨年1月に佐野准教授が立ち上げた。これまで祭りに関する地域住民へのインタビュー動画を撮ったり、その動画を学生が地域の人と一緒に鑑賞したりするなどしてきた。
 三川内山おくんちは古くから10月25日に行われている菅原道真を祭神とする天満神社(三川内町)の例祭。地区を挙げて取り組む一大イベントだが、人手不足で行事継続が厳しくなっている。
 今年は4年ぶりに、お下りなどを含む「完全体」で実施。同神社で神事を執り行った後、平戸神楽を奉納し笛や太鼓の音が響く中、学生らが地域の人と一緒にみこしなどを担いで御旅所を巡り地区を練り歩いた。おくんちの様子はプロのカメラマンが動画や写真で残した。みこしを担いだミャンマー出身の留学生、サイ・ザー・ミョーさん(21)は「重かったし緊張したけど、地域の人と一緒にできて楽しかった」と笑顔。
 天満神社総代の中里智徳さん(69)は「外部の人が祭りに関わることに関して町内で賛否両論ある」としつつ、「現実として学生さんたちが来てくれなかったら開催は難しかったので有り難い。少しでも長く祭りを続けられるよう、地域で話し合いながら取り組んでいく」と話した。
 学生らは今回撮影した動画を地域の人と一緒に鑑賞する。佐野准教授は「引き続き地域の人と一緒に、どうやって楽しい祭りをつくっていけるかを考えていけたら」と話した。

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