【香港】成長率予測を引き下げへ、景気下振れ=政府[経済]

香港政府の経済財政政策を統括する陳茂波(ポール・チャン)財政長官は5日に更新した公式ブログで、今年の経済成長率予測を下方修正する考えを明らかにした。政府は10日に最新の経済見通しを発表する。

政府統計処は10月31日、第3四半期(7~9月)の主要経済指標(速報値)を発表し、実質域内総生産(GDP)は前年同期比4.1%増だった。伸び率は第2四半期(4~6月)から2.6ポイント加速しているが、陳氏はブログの中で「想定よりも伸びが緩やかだった」との認識を示した。

経済回復の足取りが鈍い理由については、域外経済の低迷と金利上昇の持続、金融市場の不振を挙げ、これら要因が地場消費の伸び抑制にもつながっていると指摘した。1~9月の景気回復の勢いが下振れしたため、通年見通しも年初の予測から引き下げることになると説明した。

政府は2月に陳氏が行った本年度の政府財政予算案演説で、2023年のGDP成長率見通しを前年比「3.5~5.5%増」と発表。8月には上下の振れ幅をそれぞれ0.5ポイントずつ圧縮して「4.0~5.0%増」と修正したが、この時点では4%以上の成長が確保できると見込んでいた。

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