【ミャンマー】米が制裁対象拡大、「英加と3カ国で調整」[経済]

米財務省は10月31日、ミャンマーの民間企業3社と国軍幹部5人を制裁対象に追加したと発表した。英国、カナダと歩調を合わせたものと強調。米国はミャンマー石油ガス公社(MOGE)への制裁も盛り込んだが、英加は同日の発表でMOGEへの制裁を見送った。

米国が新たに制裁対象とした企業は◇スカイ・ロイヤル・ヒーロー(Sky Royal Hero Company Limited)◇サンタック・テクノロジーズ(Suntac Technologies Company Limited)◇サンタック・インターナショナル・トレーディング(Suntac International Trading Company Limited)——の3社。

個人は◇国軍が工業相に指名したチャーリータン氏◇投資・対外経済関係相のカンゾー氏◇法務省検察局長のスエスエアウン氏◇内務省刑務所局長のゾーミン氏◇国軍参謀長のマウンマウンエー氏——の5人。

3社は、制裁対象に指定されているロシア企業を含む海外からの武器調達などで国軍を支援しているとされる。国軍幹部5人はいずれも、2021年2月のクーデター後に軍政の閣僚や幹部に就任した。同制裁は12月15日に発効する。

英国とカナダも10月31日、追加制裁を発表。英国は1団体と5人、カナダは22団体と39人をそれぞれ制裁対象に追加した。ただ、両国はMOGEを制裁対象とはしていない。

欧州連合(EU)は、22年2月からMOGEを制裁対象としているが、効果を疑問視する声もある。

制裁対象は米、英、カナダそれぞれの国での資産を凍結され、各国民との取引も禁止される。3カ国は協調行動を通じて、国民への残虐行為を続けるミャンマー国軍による武器調達などを阻止する方針を改めて示した。

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