福井の城の“味わい方”、専門家が指南 城巡りフェストークイベントに愛好家120人

専門家らが県内各地の城や城跡の魅力を深堀りしたトークイベント=11月4日、福井県福井市の福井商工会議所ビル

 福井県内の城や城跡の魅力を一堂に紹介する「ふくい城巡りフェス2023」は最終日の11月4日、専門家によるトークイベントが福井市の福井商工会議所ビルであり、さまざまな城の成り立ちや見どころの解説に県内外の愛好家約120人が聴き入った。

 2部構成で、1部は「越前・若狭の城の味わい方」と題し、城郭ライターの萩原さちこさんらが登壇した。美浜町若狭国吉城歴史資料館の大野康弘館長は「若狭は山城の国と言っても過言ではないくらい、街道沿いの山々に多くの城が築かれた」と話し、山の尾根に沿って曲輪が並ぶ特徴を紹介した。

 2部は県内の城を研究する新谷和之・近畿大准教授らが講演した。新谷准教授は、あわら市の神宮寺城について「朝倉氏が一向一揆勢に対抗するため、加賀への軍事路掌握のために築いたと思われる」と説明。朝倉氏の本拠地の一乗谷城(福井市)と同様の防御構造が見られ、「一乗谷城の成り立ちを読み解くことにもつながり、神宮寺城の研究は大きな意味合いを持つ」と強調した。学芸員や各地の保存会の会員を交え、遺構を守る取り組みや調査状況も紹介した。

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