吹奏楽強豪校が初のコラボへ 富山商高と岡山学芸館高、橋渡し役の故鈴木さん(高岡)に感謝

コンサートに向けて意気込む富山商業高校吹奏楽部のメンバーと鈴木楽人さん(前列中央)=ありそドーム

 吹奏楽の強豪校として知られる富山商業高校と岡山学芸館高校(岡山)の吹奏楽部が、12日午後1時から富山市のオーバード・ホール大ホールで初のジョイントコンサートを開く。両校の縁を結んだ橋渡し役の男性が病気のため10月に急逝。出演者は「天国から見守ってくれていると思って、感謝の気持ちを届けたい」と決意を込める。

 富山商吹奏楽部の小西衛顧問(44)によると、共演を提案したのは、高岡市の野村小学校ウインドアンサンブルなどを指導してきた故鈴木和幸さん(高岡市)。息子の楽人さん(16)が岡山学芸館の2年生でトランペットを演奏していることや、楽人さんの小中学校時代の同級生が富山商吹奏楽部に在籍していること、鈴木さん自身が小西顧問と親しかったことなどから発案したという。

 岡山学芸館は全日本吹奏楽コンクールで6大会連続金賞の強豪。富山商吹奏楽部の米愛花莉部長(3年)は「全国トップレベルの学校から技術を吸収して、富山商の吹奏楽をもっと良くしたい」と意気込む。

 本番を控えた先月20日、鈴木さんが46歳で急逝した。小西顧問は「富山の吹奏楽のために何かできないかという思いで共演を提案してくださった」としのぶ。当日は各校の単独演奏に加え、両校合わせて総勢約150人による合同合奏も披露する。楽人さんは「地元での凱旋(がいせん)公演なので緊張もするが、皆さんを笑顔にしたい。天国のお父さんに感謝の気持ちを届けられるよう演奏する」と語った。

 前売り券は一般2千円、高校生以下1500円(いずれも当日300円高)。富山商業高校事務室などで取り扱う。問い合わせは同校、電話076(441)3438。北日本新聞社後援。

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