声援復活、力走後押し 富山マラソン、沿道から県民エール

沿道の応援を受けながら走るランナー=高岡市御馬出町

 新型コロナウイルスによる規制が解け、声出し応援が解禁された4年ぶりの富山マラソン。大勢の富山県民が5日、沿道からランナーに熱い声援を送り、力走を後押しした。

 「みんな頑張って」。初めてジョギングの部に参加した高岡市福岡町赤丸、自営業、源由紀子さん(49)は、マラソンの部に出場した友人を射水市八幡町の新湊漁協前で応援していた。拍手や身ぶり手ぶりを交えてエールを送るうちに「来年はフルマラソンに出たい、という気持ちになる」と笑みを浮かべた。

 高岡市野村の交差点では、富山市五福の綿貫花乃ちゃん(1)が母の明佳さん(26)と共に、初出場した父の雄介さん(32)を応援した。黄色のポンポンを手に「必勝」のはちまきを締めた花乃ちゃん。多くのランナーがその姿に顔をほころばせた。

 県の公募で集まった新設の「盛り上げ隊」も応援に“参戦”。レース後半となる富山市打出の田園地帯で、メガホンを手に声援を送った。富山マラソンに出場したことがある小矢部市下中の中村龍一郎さん(58)は「30キロを超えた所は心が折れかけるポイント。『ここからが本番』という気持ちで頑張ってほしい」と語り、力いっぱいランナーを鼓舞していた。

 ゴール付近にも多くの人が詰めかけた。富山市藤木の藤元重雄さん(69)は、残り約1キロ地点の富山県美術館前で自作のうちわを手にラストスパートを後押し。「ランナーから反応があると応援の力が伝わっていると感じる」。妻の美栄子さん(68)は「久々にこんなに人が集まっているのを見た。みんなで盛り上がれて楽しい」と話した。

 ゴール後、ランナーは「応援が力になった」と話した。女子3位だった魚津市、放射線技師、大峽(おおば)英里さん(40)は1カ月前に新型コロナに感染し、十分に練習できなかったにもかかわらず上位に食い込んだ。「30キロを過ぎてから走り切れるか不安だった。沿道から名前を呼んでもらって励みになった」と感謝する。

 全国各地のマラソン大会に参加している京都府、自営業、山本佑司さん(45)は立山連峰の美しさやエイドステーションのますずしを堪能し「富山の応援は特に温かい」と今大会を振り返った。

ランナーを鼓舞する沿道の人たち=富山市湊入船町

© 株式会社北日本新聞社