ラーメン店でコース料理?! 五つ星ホテルの元料理長が作り上げる絶品「あごだし麺」 飯能の「西山屋」

特選あごだし麺とミニ丼(四川担担ご飯)、きのことバルサミコ、パルメザンのサラダ

 埼玉県飯能市双柳の住宅地に、一棟のトレーラーハウスが建った。ラーメン店「西山屋」の新店舗だ。同じ双柳地内にあった店舗から移転し2日、始動させた。

 オーナー兼シェフの西山義隆さん(60)は横浜市の出身。調理師専門学校を卒業し、フランス料理店などに勤務。東京都内の五つ星ホテル「ANAインターコンチネンタル東京」では料理長に就き、鋭敏な味覚を培った。

 「飯能に恩返しがしたい」。30年以上住んできた地元への思いから、西山屋は歩みを始める。2017年のことだ。従来は週末と祝日に限っていた店舗の営業も、当時の勤務先を定年退職した今年1月からは週5日に拡大させた。

 西山さんの感性が集約された一品が、あごだし麺だ。スープには備長炭でトビウオを焼き、香りを蓄えた「あごだし」をはじめ、国産豚のゲンコツや鳥ガラなどを使用。たまりじょうゆやホタテの煮汁を「かえし」にし、深い味わいに仕上げた。麺は弾力と歯ごたえに富み、品格あるスープに導かれるように調和を奏でる。

 チャーシューはまきを使ったピザ窯であぶるのが、西山屋の流儀。遠赤外線によって表面を香ばしく仕上げ、内側にうまみを閉じ込めるなどの効果をもたらすという。「暖炉などでも研究したが、ピザ窯に行きついた」と西山さん。

 看板は「ラーメン店」だが、ブルスケッタやサラダ、チーズケーキなどがメニューに用意されている。併せて注文することで、コース料理のような楽しみ方ができる趣向だ。「来店客に幸せになって帰ってもらうことが基本姿勢」と西山さんは語る。トレーラーハウスの隅々に、情熱が満ちている。

【メモ】西山屋 飯能市双柳961(電話080.3251.5785)。営業時間は午前11時~午後2時。定休日は毎週火、水曜日。アクセスはJR八高線・西武線東飯能駅の東約1.5キロ。

【主な人気メニュー】特選あごだし麺1400円、ピザ窯あごだし麺1200円、ミニ丼380円、ラーメン屋が作る最高のチーズケーキ500円など。

厨房に立つ西山義隆さん=埼玉県飯能市双柳の「西山屋」

© 株式会社埼玉新聞社