京都市の赤ちゃん過去最少 住宅高騰、子育て世代住めない街に?

京都市役所

 京都市はこのほど、女性1人が生涯に産む子どもの数を示す2022年の合計特殊出生率が前年比0.02ポイント減の1.15となったと発表した。過去6番目の低さで、減少は6年連続。出生数は過去最少を更新し、少子化の進行や深刻化する子育て世代の市外流出が要因とみられる。

 市では、16年の1.30までほぼ横ばい傾向だったが、17年の1.27以降は減少が続く。過去最少は05年の1.11だった。行政区別でみると、西京区が1.29と最も高く、伏見区1.27、右京区と山科区が1.25と続いた。最も低かったのは東山区の0.74で、上京区0.86、下京区0.90、中京区0.97と市内中心部で1を下回った。

 出生数は8372人で、前年比395人減の7年連続減となり、統計の残る1946年以降で最少となった。算出対象としている15~49歳の女性の人口は、27万1199人と、前年比6530人減だった。

 全国平均の合計特殊出生率は前年比0.04ポイント減の1.26。京都府全体でも0.04ポイント減の1.18。過去4番目の低さで、全国順位は40番目だった。

 出生率低下に歯止めがかからないのは、市内中心部の住宅価格高騰により、市外へ子育て世代が流出していることも要因にある。市は本年度から庁内にプロジェクト推進本部を設け、建築物の高さ規制緩和といった都市計画の見直しなどの定住移住策を進めている。

 また、人口減少、高齢化の著しい洛西ニュータウン(西京区)での大規模な規制緩和を行い、住み替えを促進させる方針だ。市総合政策室は「非常に危機感を持っている。総力を挙げて取り組みを進めていく必要がある」と強調する。

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