コメ輸送貨物列車「全農号」運行スタート 八戸(青森県)-大阪間、「2024年問題」対応で

コメが入ったコンテナを積み込む「全農号」=5日午後4時10分ごろ、八戸貨物駅

 JR貨物と全国農業協同組合連合会(JA全農)などは5日、コメを輸送する専用貨物列車「全農号」の定期運行を八戸-大阪間で始めた。トラック運転手の残業規制強化に伴う物流の「2024年問題」への対応の一環で、当面は月2回運行する。初列車が同日午後、青森県八戸市の八戸貨物駅を出発した。

 「全農号」は、需要減のため日曜日に運休していた同駅発百済貨物ターミナル駅(大阪市)行きの貨物列車を復活させる形で運行する。米穀類を運ぶ専用貨物列車の運行は過去に例がないという。

 5日、八戸貨物駅には宮城、岩手両県からコメが積まれた5トンコンテナが計20基集まり、列車に積み込まれた。初列車は午後6時過ぎ、同駅を出発。その後、東青森駅(青森市)と秋田、新潟、金沢の各貨物駅で連結やコンテナの積み込みを行い、最終的にコンテナ100基(約500トン)のコメを大阪まで運ぶ。

 「全農号」は来年度以降は週1回の運行を目指す。JR貨物八戸営業所の大山真一所長は「貨物鉄道輸送はトラック運転手の労働力不足の解決策となり、環境にもやさしい。東北地方はコメの生産が非常に盛んな地域であり、コメの輸送で社会に役立てることは大変ありがたい」と語った。

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