全国高校ラグビー史上初、合同チームが「花園」へ 福井県予選決勝、若狭東と敦賀工業が部員不足で特例参加

優勝した若狭東・敦賀工業の合同チーム=11月5日、福井県の小浜市総合運動場陸上競技場
優勝カップを手にする若狭東の若泉裕太主将(左)と敦賀工業の浜野悠人主将=11月5日

 ラグビーの第103回全国高校大会の福井県予選は11月5日、福井県の小浜市総合運動場陸上競技場で決勝があり、若狭東と敦賀工業の合同チームが22-10で若狭を下し、花園ラグビー場(大阪)での本大会出場を決めた。学校の統廃合によるケースを除き、合同チームが「花園」に駒を進めるのは大会史上初めて。

⇒【写真】優勝カップを手にする若狭東と敦賀工業の主将

 合同チームは若狭東22人、敦賀工業3人の編成。若狭東は前回まで7大会連続で花園に出場していたが、今回は合同チームとしての出場となり、若狭東単独での連続出場は途切れた。一方、敦賀工業が全国大会に出場するのは初めて。

 全国高校体育連盟(高体連)は今年1月、少子化による部員減に伴う措置として、全国高校総合体育大会(インターハイ)のラグビーなど9競技で、2023年度から複数校による合同チームでの出場を可能とする規定改定を各都道府県の高体連に通知。全国高校ラグビー大会も対象となった。これまでは学校が統廃合される前の2年間に限り、合同チームによる参加を認めていた。

 福井県内のラグビー部は若狭東、敦賀工業、若狭の3校。敦賀工業は21年は県予選に単独出場したが、22年は部員数が足りず欠場。同年11月時点で部員1人となり、今年2月から若狭東と合同で練習を始めた。今回の福井県予選は、敦賀工業単独での出場ができないことや県内のチーム数が少ない事情が考慮され、「特例」で合同チームでの出場が認められたという。

 若狭東の若泉裕太主将は「人数が増え、今まで以上の練習ができた。合同チームみんなで協力してきた成果がきょう出た」と優勝を喜んだ。敦賀工業の浜野悠人主将は「敦賀工業を受け入れてくれたことや、練習でのサポートを含め、若狭東には感謝しかない。花園では楽しんで1勝できるよう頑張りたい」と意気込んだ。

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