中豪首脳、関係改善加速 7年ぶり訪問、TPP関心

オーストラリアのアルバニージー首相(左)と握手する中国の習近平国家主席=6日、北京の人民大会堂(AAP Image提供・ロイター=共同)

 【北京共同】中国の習近平国家主席とオーストラリアのアルバニージー首相は6日、北京で会談し、冷え込んでいた両国関係の改善を加速させる考えで一致した。オーストラリア首相の訪中は約7年ぶり。中国には環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉入りをオーストラリアに認めさせたい思惑がある。日本と同様に中国加盟に慎重な立場を取ってきたオーストラリアが首脳会談を契機に容認に転じるかどうか関心を集めている。

 今月中旬に米中首脳会談を控える習氏は日米豪印の協力枠組み「クアッド」や米英豪の安全保障枠組みAUKUS(オーカス)を念頭に「排他的なグループ形成はアジア太平洋を混乱させる」と述べ、オーストラリアが加わる米主導の対中包囲網をけん制した。中国国営中央テレビが伝えた。

 オーストラリア首相府によると習氏は会談で「健全で安定した関係は両国の利益になる」と強調。アルバニージー氏は中国との「強力な関係」が利益につながると応じ、習氏を自国に招待した。

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