電極端子開発で特別賞 県とファインネクス素形材産業技術賞

ファインネクスと県が開発した電極端子(同社提供)

  ●リチウムイオンバッテリー、電気自動車に活用期待 「ものづくり富山」示す

 富山県は6日、ファインネクス(舟橋村)と県産業技術研究開発センターによる「低温鍛接法によるリチウムイオンバッテリー用Cu/Al複合電極端子の開発」が、第39回素形材産業技術賞の表彰委員会特別賞を受賞したと発表した。世界で急速に普及が進む電気自動車(EV)の部品として活用が期待でき、同社の担当者は「富山の高度なものづくり技術を示すことができた」と喜んだ。

 素形材産業技術賞は一般財団法人素形材センター(東京)が主催。受賞者は、ファインネクスの北嶋一郎圧造設計部長、江尻雄一圧造技術課長代理、同課の段一輝氏、県産業技術研究開発センターの山岸英樹副主幹研究員の4氏。

 県が開発、特許を権利化した異種金属接合技術(低温鍛接法)とファインネクスの高精度複動金型技術を組み合わせ、リチウムイオンバッテリー用の電極端子となる製品を開発した。

 県によると、銅(Cu)とアルミニウム(Al)という異なる金属をプレス加工で成形と同時に結合しており、従来製品より機能、耐久性に優れ、低コストで生産できる。端材が出ないため、環境への負荷も減り、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながるという。

 ファインネクスでは大量生産の準備を進めており、トヨタや日産などの関連会社への納品を目指している。北嶋部長は「5年後には従来製品が全てこちらの製品に入れ替わっているだろう」と自信を見せた。

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