ルイス・ディアス父親の解放は延期に…ELNが治安部隊駐留を理由に延期を明かす

父の早期解放を求めるルイス・ディアス[写真:Getty Images]

民族解放軍(ELN)に誘拐されているリバプールのコロンビア代表FWルイス・ディアスの父親の解放が延期されることになった。『ロイター通信』が伝えている。

事件は10月28日に発生。コロンビア北部のバランカスでディアスの父親であるルイス・マヌエル・ディアスさん、母親のシレニス・マルランダさんがガソリンスタンドで車を止められ、銃を突きつけられた状態でバイクに乗った武装集団に誘拐された。

警察が捜索して迫ったなか、母のマルランダさんは、28日の夜に救出。車の中に取り残されたものの、父のルイス・マヌエル・ディアスさんはそのまま連れ去られてしまった。

その後、コロンビア政府は2日、ルイス・ディアスの両親が誘拐された事件に関して、1965年に設立された革命政府樹立を唱える親キューバ、反米及びマルクス・レーニン主義の反政府武装組織であるELNの関与を認めていた。

政府和平代表団によるELNとの交渉において同組織はできるだけ早いディアス父親の解放の意向を示したが、今回の新たな声明では地域内にコロンビア治安部隊が駐留しているため解放が妨げられているとして、解放の延期を発表している。

「この地域は依然として軍事化されており、高空飛行、軍隊の配備、メガホン放送、報奨金の申し出、そして激しい掃討作戦が行われている」

「この地域で活動が続けば解放は遅れ、リスクは増大するだろう」

また、ELNの誘拐の理由は明らかになっていないが、治安関係者らによると、同組織は長年、誘拐や恐喝、麻薬密売で活動資金を賄ってきており、今回も同様の理由である可能性が高いようだ。

なお、5日のルートン・タウン戦で戦列復帰し、チームを敗戦から救う同点ゴールを記録したディアスは、ゴール直後にユニフォームをめくり「LIBERTAD PARA PAPA(父を自由に)」との悲痛なメッセージが書かれたTシャツを公開していた。

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