警察の留置施設「ブラトップ」容認広がる 京都に続き滋賀「理解得られぬ」批判ネットで可視化

滋賀県警本部

 京都府警が留置施設で勾留中の女性の容疑者に対し、シャツにブラカップを縫い付けた「ブラトップ」の着用を認めなかったことへ弁護士が抗議し、後に差し入れを認めた問題で、滋賀県警も11月6日までに、形状や材質を個別に検討した上で差し入れを認める方針を決めた。

 県警はこれまで、ブラトップについて「容易に首にかけて絞められる形状」であり、自殺に使われる危険があるとして、京都府警と同様に着用を認めていなかった。府警は先月31日、「個別具体的に判断し、伸縮性がそれほどなく、形状的に危険性が薄い」と判断し、Tシャツ型のブラトップの差し入れを認めた。

 県警警務課によると、県警に対する抗議や申し入れはなかったが、先月24日に京都新聞社が県警の対応について取材した後、担当者間で是非を検討。市販のブラトップに多様なタイプがあることを確認し、一律に禁止するのではなく、形状や材質を検討した上で差し入れを認めることを決め、同30日から運用を開始したという。

 Tシャツ型のブラトップは差し入れ可能だが、肩ひものついたキャミソール型や、タンクトップ型は認められないとしている。西島亨監察官は「今後も個別に検討していく必要がある」としている。

 立命館大法学部の森久智江教授(犯罪学)は「保安のために必然性のない点まで包括的に人権が制約されていたことに、一般市民の理解が得られなくなった結果、今回の改善がもたらされた。この問題を巡ってはインターネット上でも大きな話題となり、批判の声が可視化された。警察の留置場における未決勾留中の処遇については制約が行き過ぎた点が他にもあり、全国で見直しがもっと進められるべきだ」とする。

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