日南秋季キャンプ 2日目 若手はつらつ 広島カープ 話題の “選手レポート” を徹底取材 コーチ陣の印象に残る選手は…

宮崎・日南市で始まった広島カープの秋季キャンプ。若手中心で中身の濃いキャンプを送っています。現地で取材しているスポーツ部の 松本清孝 ディレクターからの報告です。

松本清孝 ディレクター
キャンプは全体練習が終わって、個別の練習が始まっています。きょう(7日)の日南は昼間、最高気温24℃ぐらいだったんですけど、日差しがものすごく強くて、ジリジリ、もう真夏の日差しみたいな感じですごく暑かったんですが、今はちょっと陽も沈みかけて、半そでだとちょっと風が冷たいかなという感じです。

きょう、まずお伝えしたいのは、きのう(6日)の夜、日南市内の飲食店に行ってたら地元の方が「いや、ことしは1軍の選手があまり来てないというか、ほとんどいないからさみしいね」ということをおっしゃっていたんですが、そのときも「それは違います。この秋のキャンプも本当に見応えがあっておもしろいんです」と。

その理由が、ことしのドラフト会議を思い返してもらいたいんですけど、カープは5人と育成ドラフトで3人を指名しました。その5人の内訳が大学生投手が4人で、高校生野手が1人。これ、何を表しているかというと、大学生の投手は一般的に即戦力に近いといわれていて、ここ日南にいる、1軍の当落線上にいる選手たちにとってはてきめん、ライバルが4人、ボーンと入ってきて、もう本当に自分がここでレベルアップしないと来年、1軍に上がれないかもしれないということになっています。

高校生野手が1人っていうのは、基本的には育成をしばらくはメインで練習すると思うので、ここにいる選手のレベルアップで、来年のチーム力アップを図るということだと思うんです。高校生野手1人は、今から新外国人だとか現役ドラフトとかチャンスはありますけど、カープの首脳陣がとにかく今いる野手を鍛えて、来年の日本一・優勝を目指すという覚悟の表れなので、選手たちもみんな、わかっているので、一緒に首脳陣と同じ覚悟を持って、みんなが来年のカープを背負うのは自分たちだという形でやっていると。

新井貴浩 監督は、おととい(5日)のミーティングで「ここにいない選手は計算できる選手。ここにいる選手は計算できない選手」という発言があったそうです。計算できる選手が計算どおり働くと、ことしと同じ来年は2位ぐらい。ここにいる計算できない選手たちが驚くほどの数字を積み上げると優勝・日本一が見えてくるということなので、この秋のキャンプがめちゃくちゃおもしろいということを踏まえて、きょうの練習の模様です。

日南キャンプ 2日目(11月7日)

初日に続いて、朝から室内練習場に響く打球音―。日南キャンプ2日目も 中村健人 の “スーパー早出” で始まりました。完全な自主練習ということで、ボールの準備も球拾いも全て1人ですが、来シーズンの飛躍への決意と危機感を持って一心不乱にバットを振ります。

広島カープ 中村健人 選手
「ことし1年間、まったく1軍のチームに貢献できなかったこともありますし、危機感をもちろん持ちながら、なんていうか、人生変えてやるぐらいの感じ・意気込みで来ているので」

そのあとも選手それぞれが課題に取り組みます。屋内練習場では、林晃汰 が、迎祐一郎 コーチとマンツーマンでノックバットを振っていました。これは、ピッチャーとの間合いの取り方や、自分のバッティングのタイミングの取り方を養いながら、いろんな気づきを解決していく練習です。

さらに、田村俊介 が、福地寿樹 コーチとマンツーマンで体の使い方やバットの出し方をみっちり話し合っていました。

今回のキャンプの特徴がこういった、一見、何をしているかわからないような練習にかなりの時間を使っていることで、これもチームの方針に選手をはめるのではなく、選手それぞれの課題にチームが寄り添うという取り組みの表れです。

全体練習では、きょうは体を動かすことを中心に、野手も投手も元気よく汗を流しました。若手のはつらつ秋季キャンプはまだまだ続きます。

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松本清孝 ディレクター
どうでしょう、少しは選手に寄り添って見ることができたのではないでしょうか?

青山高治 キャスター
松本さんのあの話、きのう夜に日南の飲食店で語った話を聞いた後にこの練習を見ると、ものすごく選手のキャンプにかける意気込みというか、しみますね。伝わります。

松本清孝 ディレクター
いや、もう本当にみんな必死で、自分で考えて体を動かしているので、どこの練習を見ても全部が見応えがあっておもしろいんですが、このキャンプでよく話題になっているのが、藤井彰人 ヘッドコーチ考案、新井監督が全選手に提出させた “レポート” なんです。けっこう取材を進めるうちにだんだん内容がわかってきたので、ちょっと紹介させてください。

現物はちょっと手に入らなかったんですが、だいたいのイメージがこんな感じで全選手、手書きだったそうです。今シーズン、こういうふうなことが課題だったとか、こういうことがよかったけどダメだったとか、このキャンプとか来シーズンに向けてこんなところを取り組みたいとか、こういうふうになりたいというのを書いたそうなんですが、コーチは本当にいい取り組みだということで、いろんな目標とかを明確に共有できるし、おもしろいんだけど、それよりも選手の性格がいろいろ見られるものでよかったと。

例えば、ちゃんとした紙に書く人もいれば、ノートの切れはしみたいに書いて出した人もいるし、特にフォーマットがなかったらしいので、自由にレポート出してくれということだったそうです。現物は見てないので本当かどうかわからないですが、「カープカレンダーの裏に書いたやつがいる」とコーチが笑っておっしゃっていました。

中根夕希 キャスター
個性が出ますね。

松本清孝 ディレクター
そんな中でいろんなコーチにちょっと聞いたのですが、みんなが一番印象に残った選手がいると。それも同じ選手でした。その選手が、全選手でただ1人、縦書きで提出した 林晃汰 選手。しかも、かなりの達筆だったらしい。

今、林選手はバッティング練習をしていますけど、なんとなくイメージ・顔つき・性格とかから考えて、ちょっと意外な一面が見えたりして、コーチもこのレポートに関しては、もちろん野球の内容は勉強になったり、いろいろ役立っているんですが、選手の意外な一面も見えたりして、この秋キャンプを楽しんでいるそうです。

青山高治 キャスター
こういったレポートとか、見たこともない練習方法とか、今回のキャンプは本当に取材のしがいがありそうですね。

松本清孝 ディレクター
いや、本当に楽しくて。あと、藤井ヘッドコーチがアイデアマンで、いろんなことをしようっていうのをたぶん選手・コーチと共有して、新井監督もすぐに二言目には「コーチに任せているから」っていうことをおっしゃっていて、本当にコーチも選手もいろんなことを考えて、どうすれば来年、優勝したり、日本一になったり、チームの目標以外にどうすればこの選手が来年、活躍できるようになるんだっていうことを本当に全員で取り組んでいるキャンプだなと思います。

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