被害総額3億9000万円 特殊詐欺グループの首謀者か、容疑で暴力団員逮捕

京都府警本部

 全国の高齢者から多額の現金をだまし取ったとして、京都府警組対2課と東山署は11月7日、詐欺の疑いで、千葉県習志野市の指定暴力団稲川会系組員の男(44)を逮捕した。府警は特殊詐欺グループの首謀者とみており、被害は計約3億9千万円に上るという。

 府警によると、息子を名乗って高齢者宅に電話をかけて現金をだまし取る手口で、昨年6月以降、京都を含む20都道府県の高齢者77人が被害に遭ったという。府警は暴力団の資金源になっていたとみている。

 逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀し、昨年10月5日、札幌市の女性(90)宅に息子らを名乗って「会社の支払いが間に合わない」などとうその電話をかけ、700万円をだまし取った疑い。「特殊詐欺には関わっていない」と容疑を否認しているという。

 府警はこれまでに特殊詐欺グループに関わった19~61歳の男女17人を逮捕した。高齢者から現金を受け取り、コインロッカーに預けて回収する役割を分担していた。犯行の末端となる現金を受け取る「受け子」は、交流サイト(SNS)で高額な報酬をうたって犯罪に加担させる「闇バイト」で集めていたという。

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