今春、自宅で動けなくなり死を覚悟 拉致被害者の母・横田早紀江さん「元気で会わせて」

合同インタビューに応じる横田早紀江さん(7日午後、川崎市内)

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(87)=京都市中京区出身=が7日、川崎市で京都新聞社などの合同インタビューに応じた。拉致から15日で46年になるのを前に「めぐみちゃんのことを考えない日はない。元気で会わせてほしい」と語り、一日も早い再会を願った。

 3年前に亡くなった夫滋さんと同じ年齢になった早紀江さんは今春、自宅で動けなくなり死を覚悟したという。「頑張りますから、あと2年は生かしてください」。心の中で叫んだ。手術で体調は回復したが、「力が前みたいに出てこないし、声も出なくなってきた」と明かした。

 拉致被害者家族の高齢化が進む一方で拉致問題に進展は見られず、早紀江さんが切望する日朝会談も長らく実現していない。「あらゆることをしてきたが、まだ解決しない。情報も何もない。政府が本気で動いてくださるよう盛り上げてほしい」と、もどかしい心情を吐露した。

 「(めぐみが)生きてると思っていないともう動けない。私が生きてる間に、私ができる限りのことだけはなまけないで、助けてあげることができるように頑張りたい」。折れそうになる心を奮い立たせるように語気を強め、早紀江さんは決意を振り絞った。

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