「平和のバトンつないで」 長崎県外の親子記者が被爆者取材

八木さん(左)の話を聞く親子記者の参加者=長崎市、長崎原爆資料館

 長崎県外の親子が長崎市を訪れ、被爆者や被爆遺構を取材する「親子記者事業」が4日にあり、小学生と保護者の8組が講話やフィールドワークを通して被爆の実相に触れた。
 日本非核宣言自治体協議会(356自治体)の事業として2008年から毎年開催。本年度は8月8~11日の4日間の日程を予定していたが、本県への台風接近の影響で延期し、規模を縮小して実施した。
 親子は平野町の長崎原爆資料館で被爆者の伊藤武治さん、八木道子さん、山田一美さんにインタビューした。八木さんは、原爆投下前後の写真や熱線で溶けたガラス瓶などを見せながら核兵器の威力を説明。戦後も貧しい食生活が続いたとし「一度壊れてしまった平和は、簡単には戻らない。みんなで守って、次の世代につないでほしい」と語りかけた。
 新潟市から参加した6年生の近藤ことみさん(12)は「八木さんから受け取ったバトンをつなぐことが大切だと思った。学んだことを友達や小さい子どもたちに話そうと決意した」と話した。城山小や浦上天主堂なども見学した。
 参加者は帰宅後に記事を作成し、新聞にまとめる。12月に完成し、協議会の加入自治体に配布される予定。

© 株式会社長崎新聞社