青森・八戸市の漁港に熱帯魚 授業中の高校生が捕獲 市水産科学館で展示へ

八戸漁港(恵比須浜地区)内で八戸水産高校生が捕獲し、同校栽培実習場で飼育しているフウライチョウチョウウオ

 青森県八戸市の八戸水産高校の3年生が今月、課題研究の授業中に、同市鮫町の八戸漁港(恵比須浜地区)で熱帯魚を見つけた。木村文昭教諭(52)が同市の水産研究・教育機構水産資源研究所八戸庁舎に確認したところ、八丈島や小笠原諸島、神奈川県から九州南岸の太平洋沿岸などに生息するフウライチョウチョウウオと判明した。同校生徒が熱帯魚を捕獲したのは初めてという。

 捕獲したのは1日午後2時ごろ。海洋生産科漁業システムコース3年生の海洋生物研究班11人が、漁港内の岸壁で生物採集をしていたところ、柿﨑優斗さん(18)=奥戸中出身=が海中に色鮮やかな魚がいるのを発見。別の生徒がタモ網ですくい上げた。

 フウライチョウチョウウオの生息水温は22~26度とされるが、捕獲時の海水温は17.2度だった。体長6センチで、幼魚とみられるという。現在は漁港内にある同校栽培実習場で水温25度で飼育しており、アカムシなどを食べている。10日、市水産科学館マリエントに引き渡され、条件が整い次第、展示する予定。

 木村教諭は「夏場の高水温期に南方から流れ着いたと考えられる。生徒が観察したところ、温暖化により生息するプランクトンの種類が変わっているとみられる」、柿﨑さんは「海水温の上昇で魚の生活できる範囲が狭くなっているのではと、心配に思った」と話した。

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