地元熟練農家の原料使用 ワインと日本酒、販売スタート 青森・南部町

南部町産の農産物で造ったワインと日本酒の販売開始を工藤町長(中)に報告した佐々木さん(右)と澤口さん

 青森県南部町ワインファーマーズの3農家が生産したブドウ「キャンベル・アーリー」を原料に、赤ワイン「夢紀行」が、9年ぶりに生産された。また、おいしく安全な農産物作りに取り組んでいる同町の農家澤口和洋さん(73)は、明治時代に作られていたコメ「亀の尾」を使い、福島県の酒蔵で仕込んだ日本酒「自然日和」を昨年に続いて生産。同ファーマーズ代表の佐々木幸雄さん(61)と澤口さんが10月30日、町役場を訪れ、工藤祐直町長に販売開始を報告した。

 夢紀行は2014年、岩手県のワイナリーに醸造を委託して第1弾を生産したが、20年に第2段として、はちのへワイナリーに委託先を変えて再挑戦。満足のいく出来栄えで、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえ、2年間寝かせて9月に販売を開始した。300本限定で、750ミリリットル入り1本1980円(税込み)。

 澤口さんは15年ほど前から自然農法を取り入れており、自然日和は自然農法の一つ「アートテン農法」で育てたコメを使用。喉越しの良い酒に仕上がったという。720ミリリットル入り1本3850円(同)で今回、500本を生産した。

 いずれも栽培技術が優れた熟練農家による南部町の農産物で生産したもので、工藤町長は「さまざまな場でPRしたい」と話した。

 夢紀行は佐々木さんのほか、沖田千代治さん、中野勝典さんが作ったブドウを原料に使用、同町の田岩酒店、八戸市のワイン専門店「ヴァンタス」で販売している。問い合わせはヴァンタス(電話0178-81-2016)、自然日和は同町の「ファームビレッジなんぶ」と澤口さんの自宅で販売している。問い合わせは澤口さん(同0179-34-2583)へ。

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