IPEF首脳、共同声明発表へ 交渉入り後初、中国を念頭に

IPEFの初日の討議に臨む参加国の閣僚ら=2022年9月8日、米ロサンゼルス

 新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加する日本や米国など14カ国が、米サンフランシスコで16日に首脳会合を開き、共同声明を発表する方向で調整していることが8日分かった。複数の関係者が明らかにした。昨年9月の交渉入り後、首脳レベルで声明を出すのは初めて。覇権主義的行動を強める中国を念頭に、インド太平洋地域の「自由で開かれた繁栄に向けて経済的関与を深める」などと打ち出す。

 バイデン米大統領や岸田首相らが出席する見通し。現地で開かれるAPEC首脳会議に合わせた開催となるため、2国間会談などで多忙となる各国首脳が参加できるかどうか最終調整している。

 首脳会合に先立ち、14日には重要物資のサプライチェーン協定の閣僚署名式が開かれることも判明した。

 共同声明には、重要物資の供給協力や腐敗防止の取り組みも盛り込むことが想定される。デジタル貿易など一部の交渉分野は継続協議とするが、大枠での合意を演出し、ルールに基づく経済成長の促進を発信する構えだ。参加国間の連携を確認する狙いもある。

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