久保建英は先発で前半は攻守に存在感! ソシエダが昨季8強のベンフィカを敗退に追い込みGS突破に王手【CL】

[写真:Getty Images]

チャンピオンズリーグ(CL)のグループD第4節、レアル・ソシエダvsベンフィカが8日にアノエタで行われ、ホームのソシエダが3-1で勝利した。なお、ソシエダのMF久保建英は70分までプレー、ベンフィカのGK小久保玲央ブライアンはベンチ入りも出場機会はなかった。

ここまで2勝1分けでグループ首位に立つソシエダは、今節の勝利と3位のレッドブル・ザルツブルクの敗戦によって2節を残しての突破が決まる状況。そして、前回対戦で1-0と競り勝った最下位のベンフィカをホームで迎え撃った。

直近のバルセロナ戦を最終盤の失点で惜敗したラ・レアルは、その一戦から先発1人を変更。負傷かコンディション不良かアマリ・トラオレがベンチ外となり、エルストンドが右サイドバックに入った。久保は右ウイングに入り、バレネチェアとオヤルサバルと3トップを組んだ。

立ち上がりはベンフィカが前からアグレッシブに圧力をかけて押し込む入りとなったが、これを冷静に凌いだソシエダがファーストチャンスをゴールに結びつける。

6分、右サイドで続けて得たCKの場面で久保がショートコーナーを選択。その流れからボックス左でムニョスが放ったダイレクトシュートが当たり損ねの形でゴール右へ向かうと、タイミング良く飛び込んだメリーノがダイビングヘッドで合わせた。

幸先よく先制に成功したラ・レアルは、早くも沸き立つアノエタの空気に後押しされる形で一気に2点目まで奪う。11分、ベンフィカの自陣左サイドからのスローインの流れでフロレンティーノのディフェンスラインへのバックパスがずれる。これに抜け目なく反応したオヤルサバルがDFオタメンディに走り勝ってボールをかっさらうと、ボックス内でのGKとの一対一を難なく制した。

わずか10分余りでの連続失点で明らかにアウェイチームが動揺を見せるなか、以降も一気呵成の猛攻を仕掛けるホームチーム。ブライス・メンデスのFKに反応したメリーノ、エルストンドの浮き球パスに反応したオヤルサバルが続けてゴールネットを揺らしたプレーはハンドとオフサイドで認められなかったが、勢いそのままに3点目を奪う。

21分、相手陣内得たFKの二次攻撃から右サイドの久保が複数のDFを引きつける仕掛けを見せると、メリーノを経由したボールが左サイドで浮いたバレネチェアへ繋がる。バレネチェアはボックス内に持ち込んで冷静な切り返しでジョアン・ネヴェスを外し、右足のコントロールシュートをゴール右上隅に突き刺した。

これで勝利に大きく近づいたが、落ち着くことなく攻め続けるラ・レアル。27分にはボックス内でバレネチェアの折り返しに反応したオヤルサバルが巧みなルーレットでDFオタメンディのアフターチャージを誘ってPKを獲得。だが、トドメの4点目となるはずだったこのPKはキッカーのブライス・メンデスが左ポストに当ててしまった。

相手のPK失敗で何とか4失点目を回避したベンフィカは直後にフロレンティーノをベンチに下げてユラセクを投入。これでネヴェスが本職のセントラルMFに移り、ウイングバックは右にアウルスネス、左にユラセクが入る形に。この交代策とソシエダのペースダウンによってようやく相手陣内でのプレータイムを増やすが、余裕を持って守る相手の守備を前に決定機までは持ち込めない。

一方、PK失敗以降は決定機創出には至らずも、集中した守備とカウンターを起点にしっかりと相手を押し返すソシエダ。そのなかで久保は自身にシュートシーンこそないものの、卓越したキープ力と切り替えの精度の高さで存在感。数的優位で守備される場面でも幾度か細かいタッチとアジリティを活かした仕掛けで局面を打開する場面も作った。

思わぬワンサイドゲームとなった試合だが、後半はベンフィカが意地を見せる。49分、セットプレーの二次攻撃でボックス付近のユラセクが潰れた流れからカブラウ、オタメンディと短く繋ぎ、ゴール前で折り返しに反応したラファ・シウバがワンタッチで押し込んだ。

後半開始早々に反撃の狼煙を上げるゴールを挙げたベンフィカは、一気に攻勢を強めてソシエダを押し込んでいく。前半に比べてボールの循環が整理され、良い形の攻撃を続ける。58分にはオタメンディが強烈なミドルシュートを枠に飛ばすが、これはGKレミロがセーフティーにはじき出した。

何とかベンフィカの攻勢を凌いだソシエダは相手を押し返すには至らないものの、ほぼイーブンの展開に戻す。その中で久保は引き続き前線の起点役を担いつつ、カウンターからボックス内への侵入を試みるが、フィニッシュまでは持ち込めない。

その後、試合はやや膠着状態に陥ると、両ベンチの動きが慌ただしくなる。逃げ切りを図るソシエダは70分に久保とブライス・メンデスを下げてカルロス・フェルナンデス、トゥリエンテスを同時投入。さらに、78分には殊勲のバレネチェアを下げてザハリャンをピッチに送り込む。

対するベンフィカはムサに続き、終盤にはディ・マリアやラファ・シウバに代わってゲデス、テングシュテットとよりフレッシュなアタッカーをピッチに送り込んだ。

一連の交代でインテンシティは高まったものの、互いに崩しの局面での精度を欠きクローズな状況が続いたまま試合はタイムアップを迎えた。

この結果、グループステージ3連勝のソシエダは突破に王手をかけた。一方、昨季ベスト8のベンフィカは4連敗で2節を残しての敗退が決定した。

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