3年連続1億5000万円超 ルビーロマン販売金額 商品化率49%、猛暑で足踏み

3年連続で販売金額が1億5千万円を超えたルビーロマン=かほく市内

 県産高級ブドウ「ルビーロマン」の今年の販売金額が1億5262万円となり、2021年以来3年連続で1億5千万円を超えたことが県への取材で分かった。基準を満たして市場に出荷できた規格品が2万5121房と、過去最多に迫る数となったことが要因。一方、生産数に占める規格品の比率を示す商品化率は、猛暑の影響で49%と3年連続で低下した。規格品を出荷できない農家もあり、県はきめ細かな営農指導で来季の底上げを目指す。

 今季(7月14日~9月30日)の販売金額は過去最高額の昨季比で1410万円減となり、商品化率も昨季の50%から後退した。一方、規格品の数は1064房増え、1房当たりの単価も6075円とほぼ平年並みを維持したため、販売金額が1億5千万円の大台を割る事態は回避した。

 県によると、商品化率が昨年より下がった要因には、出荷時期と重なるように7、8、9月と記録的な猛暑に見舞われたことが挙げられる。暑さによって実の着色不足や軟化、割れなどが発生し、1粒20グラム以上、糖度18度以上などの厳格な出荷基準を満たせない生産品が増えた。

 もっとも、早い段階でこまめな水やりや日よけ、換気などの対策を普及指導員らが呼び掛けており、一定の効果があったという。今年と同じく気温が高かった年の商品化率は13年29%、19年43%と低迷しており、生産振興課の担当者は「地道な作業を農家が徹底したおかげで、49%は維持することができた」と話す。

 ただ、今年の生産農家112戸のうち、出荷できたのは84戸にとどまった。例年を見ても、農家には技術の差があり、商品化率は30~70%と大きな開きがある。

 県は今季の影響を分析して高温の年に備えていくとともに、農家でつくる研究会と連携し、技術向上を目指す方針。担当者は「大都市圏の市場からは『もっと出荷してくれ』という要望がある。商品化率を上げ、市場の期待に応えるとともに、生産者の収入向上を目指したい」とした。

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