文理大の学生、佐賀関で〝交通の足〟実証実験 電動キックボードなど貸し出し【大分県】

地域の交通手段として、電動キックボードなどを利用した実証実験に取り組んでいる日本文理大の学生=大分市佐賀関
電動キックボードの利用者に操作方法などを説明する学生(右端)

 【大分】大分市一木の日本文理大工学部建築学科の学生たちが同市佐賀関のNPO法人と連携し、佐賀関半島一帯の交通手段の確保を目的とした実証実験に取り組んでいる。11月の毎週末、電動キックボードなど手軽に乗れる車両を用意。観光客や住民に無料で利用してもらい、交流人口や移動面の効果、事業としての採算性などを検証する。

 プロジェクトに取り組んでいるのは、吉村充功教授(47)のゼミ生7人。ゼミは10年以上前から、人口減少や高齢化が進む佐賀関で活動。住民の生活維持と交流人口の拡大を目的に、地元のNPO法人「さがのせき・彩彩カフェ」と協力し、月に1回のマルシェを続けている。▽車がないと移動が不便▽道幅の狭い箇所が多い―など、活動や住民と触れ合う中で見えてきた地域の課題から今回の取り組みを発案した。

 実験は土・日曜日の午前9時~午後4時。▽電動キックボード4台(原付き免許が必要)▽電動アシスト自転車4台▽2人乗り超小型電気自動車1台(25、26の両日のみ。普通免許が必要)―を貸し出す。前日までに公式ウェブサイトから予約する。空きがあれば予約なしでも利用できる。貸出場所や空き状況はサイトで確認できる。

 11、25日は佐賀関地域を巡る市の低速電動バス「グリーンスローモビリティ」も臨時運行する(通常は平日のみ)。

 利用者にはアンケートに協力してもらう。その結果を基に課題を整理し、事業化が見込めれば地元団体などに提案する。

 取り組みに向けてゼミ生で企画書を作り、市や関係方面に出向いて協力を依頼。運営を学ぶため先進地の視察もしたという。

 「地域の目線で、地域のために何ができるかを考えてやってきた」とゼミ生の大城貫汰さん(22)=4年。「どの車両も自分の行動に合わせて自由な乗り方ができ、観光資源の多い佐賀関をゆっくり回るのにもいい。観光や住民の足としてぜひ体験してほしい」と呼びかけている。

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