透き通った黄金色 伝統のつばき油搾り 五島・今村椿製油所

ろ過器から出てくる黄金色のつばき油=五島市平蔵町、今村椿製油所

 長崎県五島市で特産のつばき油の製造が始まった。伝統製法を受け継ぐ今村椿製油所(今村光次代表、平蔵町)では作業が本格化。製油所は甘く香ばしい香りが漂っている。
 1929年創業。昭和初期に導入した機械と5年ほど前に設置した機械を使い分けており、今季は10月中旬から製造を開始。食用や、頭髪と肌の手入れ用としてインターネットで販売するほか、化粧品メーカーに出荷している。
 市内各地の農家などから買い取ったツバキの実を粉砕。蒸した後、昔ながらの「玉締(たまじ)め」という方法でゆっくり圧力をかけて搾る。
 8日も早朝から、今村代表(73)と長男光博さん(47)が手際良く各工程を進めた。最後に和紙でろ過すると、透き通った黄金色の油が流れ出てきた。
 今年は不作で、仕入れる量は昨年より5トン少ない約15トン。製造は来年3月ごろまで続き、油の生産量は約5トンを見込む。今村代表は「風味は良く仕上がっている。昔ながらの搾り方を大事にしていきたい」と話した。

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