宇久高生 島の魅力探り夢育成 探究学習「Uku Labo」 2年生の木戸さん 商品開発や大学講座を受講

探求学習「Uku Labo」でフィッシュバーガーのレシピを考案する木戸さん(右)ら2年生=佐世保市宇久町(宇久高提供)

 長崎県佐世保市宇久島の県立宇久高(本田美緒子校長、12人)の生徒が、島の魅力向上を目指す探求学習「Uku Labo」などに取り組みながら、将来の夢を育てている。2年生の木戸優太さん(17)は、本年度の九州大未来創成科学者育成プロジェクトを受講。「貴重な経験。進路の実現に向けて頑張る」と向学心を高めている。
 同校は離島における小中高一貫教育を地域と連携しながら推進。探求学習を2017年度から始め、学年ごとに各種活動を展開している。木戸さんら2年生の3人は、地産商品の開発をテーマに、SDGsも念頭にしたフィッシュバーガーのレシピを考案している。
 近海で捕れるブランドイサキ「値賀咲(ちかさき)」の基準に満たないイサキに付加価値を付けて商品化。「どうしたらおいしくなるか、みんなで考えるのが楽しい」と仲間と試行錯誤を重ねている。
 九州大のプロジェクトは高校生が対象で、科学技術人材の育成を目的に2014年度に開講した。木戸さんは「大学の研究を知りたい」と興味を抱き、将来の夢に向け「科学と物質」のコースを選択した。
 7~9月に計10回の講義などがあり、12月に閉講式を実施する。「金属の材料や強化に関する研究が面白かった。自動車分野など物づくりの仕事をしたい。宇久の豊かな自然、人の温かみが好き。将来、宇久のためにできることがあったら役立ちたい」と語る。
 小規模校の宇久高は、遠隔授業や少人数教育などでカリキュラムを充実させ、多様な進路希望に応じた学習を進めている。本田校長は「小さな島ですが、時間や心のゆとりがある環境が魅力。住民と交流しながら、興味を掘り下げる。いろんなことにチャレンジして、新たな世界を創造してほしい」と話している。

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