介抱したのに「子供に触らないで」と叱られ 移民家族描く「ニューヨーク・オールド・アパートメント」特報

2024年1月12日より劇場公開される、ニューヨークの片隅で疎外されて生きる母と息子たちの痛切な葛藤と成長を、やさしいまなざしで描いた映画「ニューヨーク・オールド・アパートメント」の、特報映像が公開された。

特報映像は、「“透明人間”のように扱われるのはもう嫌なんだ」という印象的なセリフから始まる。ニューヨークで不法移民として暮らし、ウェイトレスとして働いているデュラン一家の母ラファエラは。店で吐いてしまった子供を介助していると、子供の母親から「子供に触らないで」と叱られてしまう。息子のティトは自転車でフード配達中に車に轢かれるが、運転手からは「傷がついたじゃない!」と怒鳴られ、謝ってしまう。「日陰で生きることしか出来なかった母と子を照らした、ひとすじの愛」というナレーションの通り、大都会の弱者として懸命に生きる彼らに訪れた恋の予感と、トラブルの気配が収められた映像となっている。

日本版テーマソングにである、THEティバの「winnie」も聞くことができる。THEティバは、国内外から注目をされている明智マヤ(Vo/Gt)と サチ(Dr)からなる2ピース・ガレージ・ロック・バンド。「素敵な機会をいただきありがとうございます。この映画と歌詞が不思議と合っている気がして、新たなwinnieの物語が増えた気持ちです。映画のストーリーをあたたかく支えることができたら嬉しいです」と、コメントを寄せている。

「ニューヨーク・オールド・アパートメント」は、アメリカン・ドリームを夢見る母と年頃のピュアな息子たちという、“大都会の弱者”である貧しい移民家族に訪れた悲劇を描いた作品。安定した生活を夢見て祖国ペルーを捨て、ニューヨークで不法移民として暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスをしながら二人の息子を女手一つで育て、息子たちも配達員として家計を支えるギリギリの毎日。街から疎外された自分を”透明人間”と憂う2人の息子はある日、謎を秘めた美しい女性クリスティンと出会い、恋に落ちる。一方、母ラファエラも白人男性からの耳触りのいい話に誘われ飲食店を開業する。

短編「ボン・ボヤージュ」が第89回アカデミー賞の短編映画賞ノミネートを果たしたマーク・ウィルソン監督による長編デビュー作。アメリカが抱える移民問題を背景に、親子の絆の物語をリアルに描きだした。実際に双子のアドリアーノ・デュランドとマルセル・デュランドが映画初出演。反骨精神を持つ移民の母ラファラを、「悲しみのミルク」などのマガリ・ソリエルが演じる。タラ・サラー、サイモン・ケザーらが脇を支える。

【作品情報】
ニューヨーク・オールド・アパートメント
2024年1月12日(金)、新宿シネマカリテほか全国公開
配給:百道浜ピクチャーズ
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