お守りカード、製作依頼続々 老人会から100人分 本紙報道きっかけ

お守りカードの製作に励む田中さん=野々市市粟田3丁目

  ●野々市、考案の田中さん「普及してほしい」

 緊急連絡先やかかりつけ医などを記した野々市発の「お守りカード」が好評で、問い合わせが相次いでいる。1日付の北國新聞朝刊で報じたところ、考案した野々市生活学校副代表の田中波津美さん(71)=野々市市粟田3丁目=のもとには知人をはじめ、老人会からも100人分の製作依頼があった。製作に追われる田中さんは「命を守ることにつながるならうれしい」と関心の高まりに手応えを感じている。

 お守りカードは縦20センチ、横8センチで、生年月日や血液型、かかりつけ医などを記載できる項目が設けられている。折りたたんでビニールケースに入れ、首からぶら下げて使うことができる。田中さんが熱中症で搬送された経験を基に、いざという時に迅速な救急、救命活動につなげようと自作した。

 身近な暮らしの問題解決に取り組む野々市生活学校のメンバーらの分を作ってカードを配布したことが本紙で紹介されると、田中さんが参加するボランティア活動などの場でカードが話題に上るようになった。友人や知人、近所の人、親戚らから製作を頼まれることが増え、最近はあらかじめ、かばんに10枚ほど入れておき、配っている。

 これまで約20人に配布したほか、白山市坂尻町の老人会からは知人を通じて100人分が欲しいとの依頼があった。ボランティア活動などの合間に自宅のパソコンでカードを印刷し、折りたたんでビニールのケースに入れる作業を続けている。

 これほどの反響があるとは思っていなかったという田中さんは「製作は大変だが、普及してほしいし、思いが伝わってうれしい」と話している。

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