防衛相、教育勅語「飾っていた」 国会事務所に、評価は明言せず

木原稔防衛相

 木原稔防衛相は9日の参院外交防衛委員会で、戦前の「教育勅語」を、自身の国会事務所に以前置いていたことを明らかにした。「私の地元熊本の出身者(の井上毅ら)が起草した文書なので、以前、議員会館の部屋に飾っていた」と述べた。教育勅語への評価については明言を避けた。立憲民主党の小西洋之氏の質問に答えた。

 教育勅語は、明治天皇が当時の国民に「父母孝行」や「修学習業」「博愛」などの教育の基本方針を示したもの。一方で緊急事態の際は身をささげて皇室国家のために尽くせとした記述もあり、戦前の軍国主義教育と結び付き、1948年に衆参両院が排除・失効を決議した。

 木原氏は、小西氏から教育勅語を評価しているのかと問われ「政治家としてさまざまな主張をしてきたのは事実だ」と述べ、否定しなかった。同時に「政治家としての思想信条に関し、防衛相としてこの場でお答えするのは差し控えたい」と従来の答弁を繰り返した。

 過去のブログ記事には「教育勅語の廃止で道義大国日本の根幹を失ってしまいました」とある。

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