長女亡くした父「いつか反省聞けると…」12年前に京都市で起きた殺人 無期懲役の男は自殺

殺人事件で長女を亡くした思いを警察官の前で語る清家さん(9日、京都市左京区・川端署)

 京都市左京区の薬局で2011年3月に女性が殺害された事件で、長女を亡くした父親の清家政明さん(75)=徳島市=が11月9日、同区の京都府警川端署で講演し、「命は何ものにも代えがたい」と事件の悲惨さを訴えかけた。

 管理薬剤師だった千鶴さん=当時(36)=は勤務先で部下の男に複数回刺されて死亡した。無期懲役の判決を受けた男が服役中に自殺したことについて「いつか反省の言葉を聞く機会があると思っていた」と複雑な思いを吐露した。

 清家さんは事件について「(千鶴さんには)何の落ち度もない。身勝手な最低の行為」と今なお許せない気持ちを明かした。現在は地元の犯罪被害者支援センターの理事に就いて各地で講演活動を続けており、「被害者には寄り添って話を聞いてほしい」と支援のあり方についても話した。

 講演は川端署が11月25日から始まる犯罪被害者週間(12月1日まで)を前に企画し、署員約60人が耳を傾けた。

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