【MLB】優勝したのに3000万ドル削減!?ツインズが来季予算の縮小を検討

写真:前田健太は今季限りでツインズからFAに

今季アメリカンリーグ中地区を制し、ポストシーズンでは18連敗を止めたツインズだが、ご祝儀で来季予算の大盤振る舞い…というわけにはいかないようだ。

ミネアポリスの地元メディア「ミネアポリス・スター・トリビューン」のボビー・ナイチンゲール記者によれば、現在行われているMLBのGMミーティングで、ツインズの野球部門最高責任者のデレック・ファルビーは来季のチーム年俸削減について言及。今季チーム史上最高額の1億5600万ドルから大幅に削減する方針であると発言したようだ。

ナイチンゲールによればこのような大幅削減には放映権契約が関連している。年間5480万ドルという大金をもたらしたダイヤモンドスポーツグループとの契約は同社の倒産によって今季限りで終了する。来年以降ツインズが同レベルの収入を得られる保証はなく、予算縮小はやむを得ない選択だ。

ファルビーは来季開幕時の年俸について言及を避けた。ただ、スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のダン・へイエス記者は来季ツインズが1億2500万ドルから1億4000万ドルの年俸で開幕を迎えると予想。今季と比較すると、最大で3000万ドル以上の削減になる。

ただ、契約情報サイト「スポトラック」や「MLBトレードルーマーズ」の情報を総合すると、現在のツインズは調停予想も含めるとすでに約1億2000万ドル分の選手契約を抱えている。もしヘイエスの予想が正しければ、ツインズは大きな契約をほとんど結ぶことができないまま来季開幕を迎えることになるだろう。今季19年ぶりのポストシーズン勝利を味わったファンとしては、残念この上ないニュースだ。

ツインズは今オフでソニー・グレイや前田健太、タイラー・マーリー(故障の影響でツインズではほとんど登板できなかったが)がFAになる。補強しなければ今季リーグトップクラスを誇った先発投手陣の弱体化は避けられないだろう。

一方で2024年オフにFAとなるマックス・ケプラーや(クラブオプションを行使すれば)2025年オフにFAとなるホルヘ・ポランコをトレードで放出しての年俸削減もありえなくはない。MLBトレードルーマーズのアンソニー・フランコ記者は、ケプラーやフランコの放出可能性は低いとしつつも、もし市場に出ればツインズが大きな見返りを得られる可能性もあると指摘。特にポランコは2025年まで保有できる上、今季FAとなるどの二遊間の選手より優秀だとしている。

ツインズはこれまでも、決して多くはない予算でリーグ優勝を成し遂げてきた。厳しい状況ではあるが、このような時こそフロントの腕の見せどころ。どのような戦略を取ってくるか注目したい。

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