【ミャンマー】キリンが人権方針改定、ミャンマー踏まえ[食品]

キリンホールディングス(HD)は8日、グループの人権方針を5年ぶりに改定したと発表した。国軍系企業との合弁解消で決着したミャンマーからの撤退の経験や、世界的な環境の変化を踏まえ、内容を具体化・発展。「ビジネスと人権」の国際水準に沿い、人権リスクを把握して対応する「人権デューデリジェンス」などを実践していく。

2018年2月に策定した同方針をより具体化し、◇人権課題や人権尊重への取り組みに関する責任の所在の具体化◇人権課題の具体化◇救済措置を講じることの明記——などを行った。

キリンHDは、ミャンマーでクーデターが発生した21年2月1日から間もなく、国軍系複合企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)との合弁を解消する方針を表明。当初、現地事業そのものは継続する道を探ったが、交渉が難航。今年1月、キリンHDの撤退で決着したと発表した。

新たな人権方針には、「紛争影響国および高リスク国の人権には特に配慮」することも盛り込んだ。クーデター直後の合弁解消の表明は18年版に沿った判断だったが、より踏み込んだ内容とした。

ミャンマーでは政情不安が続き、特に国軍系企業とビジネスを続ける企業への風当たりは強い。米欧による標的制裁の対象も拡大傾向にある。

© 株式会社NNA