アニメ映画のウイスキー再現 全国の原酒、砺波で熟成

再現を試みるウイスキーが登場する映画の一場面(©2023 KOMA復活を願う会/DMM.com)

  ●若鶴酒造・三郎丸蒸留所などモデル「駒田蒸留所へようこそ」
  ●ピーエーワークス制作、10日全国公開

 南砺市のアニメ制作会社ピーエーワークスが手掛け、10日に全国公開される映画「駒田蒸留所へようこそ」に登場する「幻のウイスキー」を再現するプロジェクトが砺波市で始まる。映画の舞台モデルの一つである若鶴酒造(同市)の三郎丸蒸留所で、物語と同様に全国の蒸留所から原酒を集めて熟成し、アニメのウイスキーを現実に誕生させて日本のウイスキー文化の醸成につなげる。

 映画は蒸留所の再起に奮闘する女性社長が、幻のウイスキー「KOMA」の復活を目指す物語で、蒸留所を舞台にウイスキー造りの現場や働く人々の魅力を描く。

 若鶴酒造などが設立した蒸留所の原酒を買い取り熟成・販売する「T&T TOYAMA」(砺波市)が、三郎丸蒸留所をはじめ全国の蒸留所から原酒供給を受けて再現する。

 KOMAはスモーキーなウイスキーとして描かれており、三郎丸蒸留所のミズナラ樽の原酒などを使って、100%日本産の商品を仕上げる。来年12月の完成を目指す。

 映画に登場するウイスキーの設定監修を行ったT&T TOYAMA創業者の稲垣貴彦氏がブレンドを監修する。プロジェクトでは、映画に登場する別のウイスキー「わかば」もつくる。

 映画の全国公開に合わせて10日からクラウドファンディング(CF)で活動資金を募る。目標金額は1千万円で、専用サイト「キャンプファイヤー」で同日午後6時から受け付ける。再現したウイスキーなどを返礼品として送る。

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