サンダバ姿ではつらつ 80代の富山傘寿野球クラブ ユニホーム統一、球団創立時の緑色モデル

サンダーバーズ創設時モデルの新ユニホームを着用した傘寿クラブの選手と永森社長(手前左)=射水市の薬勝寺池南公園野球場

 富山県内の80代の選手による野球チーム「富山傘寿野球クラブ」は、ユニホームをプロ野球独立リーグ・富山GRNサンダーバーズの創設時のデザインに統一した。2年前の結成以来、チームのユニホームはなく、選手はばらばらの姿でプレーしていた。憧れの地元球団と心を一つに戦う気構えで、なじみのグリーンカラーを身にまとった選手は野球を通じた一層の健康増進と交流を誓った。

 富山傘寿野球クラブは、県生涯軟式野球連盟のうち70歳以上の古希野球12チームから選手が集い、2021年に結成。「野球は生涯の友」をモットーに現在38人が所属し、練習に励んでいる。同年、石川県にも「傘寿金沢野球クラブ」が発足し、両クラブは年数回の交流試合(富山新聞後援)を行い、互いに白球を追う楽しみを分かち合いながら親交を深めている。

 選手は元々所属していた古希野球チームのユニホームを着用し、帽子だけサンダーバーズモデルにそろえていた。今年3月、統一ユニホームを作ることとなり、選手からサンダーバーズのユニホームでプレーしたいとの声が上がった。

 新ユニホームは、07年のサンダーバーズ創立時のデザインに決定。00年に開かれた、とやま国体の県選手団のユニホームをイメージした緑色で、肩部分から「雷鳥」にちなんで稲妻があしらわれている。ユニホームには「傘寿」のロゴと背番号をプリントした。

 9日、ユニホームのお披露目が射水市の薬勝寺池南公園野球場で行われた。選手は早速、袖を通して練習や紅白試合に汗を流した。チーム最高齢の投手である太田他家男さん(88)=富山市=は「気持ちが引き締まり、体が軽くなった気分。おそろいのユニホームで一致団結し、元気にプレーしていきたい」と話した。

  ●永森社長も激励

 お披露目には、サンダーバーズの永森茂社長も立ち会った。あいさつした永森社長は、全国で社会人チームが減少する中で球団を設立した苦労を振り返り、野球人気の復活を願った。今年のNPB(日本野球機構)ドラフトで球団初となる3人の指名を受け、県出身選手の輩出が叶ったことにも触れ「同じユニホームを着て皆さんと頑張れるのはうれしい。一緒に野球を盛り上げたい」と激励した。サンダーバーズ選手とのエキシビションマッチによる交流にも意欲を示した。

 富山傘寿野球クラブの津田大作会長、県生涯軟式野球連盟の池永静夫理事長もあいさつした。

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