インクルーシブな“おもしろ自転車” みんなで仲良く乗って楽しもう! 国内シェア100%メーカー【しずおか産】

「これ漕いでくれる人」「お兄ちゃんが漕いでやるぞ!」「3人で乗れるじゃん」「わー、楽しい!」

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一緒に乗って楽しい「おもしろ自転車」。静岡県伊豆市の「オートクラフト・IZU」では、日本で唯一「おもしろ自転車」を製造していて、静岡から全国に出荷をする国内シェア100%のメーカーです。

<オートクラフト・IZU 高田克伸社長>
「同じ自転車をお年寄りから小さな子どもから体に障がいのある人まで、みんなで楽しんでもらえる、そういうところを今、目指しています」

「おもしろ自転車」は、伊豆のサイクルスポーツセンターなどで走る「カスタム自転車」を作っていたことがきっかけで誕生しました。

<園児>
Q.自転車どう?
「たのしい!」

伊豆市の「複合施設ふらっと月ヶ瀬」で開かれた、おもしろ自転車の体験会。障がいのある人がペダルを漕ぎ、お年寄りと小さな子どもが一緒に座って、自転車を楽しんでいました。

<オートクラフト・IZU 高田二郎専務>
Q.この自転車は何と言うんですか?
「ペリカンサイクルといいます。車イスの方が自分の車イスから降りずにそのまま乗れること、それが一番の利点です。子ども向けに作ってきたものが、こういう実証実験の現場に出てみると、子どもの面白いモノは大人も面白いよ。お年寄りも障がいのある人もみんな楽しんでくれるというのが新しい発見」

Q.乗ってみていかがですか?
「サイコー!天気もいいし」
Q.乗っている時の眺めは?
「全然違います。いつも車いすだから」

今、「インクルーシブな乗り物」として注目されている「おもしろ自転車」は、年齢や経験、障がいなど、分け隔てなく、誰もが一緒になって楽しむことができます。

<オートクラフト・IZU 高田二郎専務>
「製品を卸している公園で、修学旅行や遠足に来るクラスの健常者は普通に自転車でサイクリングコースに乗っていく。車いすの方はサイクリングセンターで待っているとか…。これがあると一緒に乗れる。一緒にサイクリングできる。仲間外れにならない。一緒に思い出ができる。そういうところがいいな」

静岡県で誕生した「おもしろ自転車」、長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」や神戸市の特別支援学校の校舎の中で使うなど、全国150か所で活躍しています。

また、大学では「おもしろ自転車」による健康面やコミュニケーションの効果などを研究しています。

<静岡大学 未来社会デザイン機構 講師 内山智尋さん>
「きょうの場合は、障がい者と高齢者と子どもたちが一緒に遊ぶインクルーシブですが、これが知り合うきっかけになる。知り合うと関心を持ったり、何かしてあげようという心が芽生えて、助け合いや地域づくりに続いていく。地域の人も入れてインクルーシブになっていくといいと思う」

<オートクラフト・IZU 高田克伸社長>
「小さいお子さんと話をすると、奇想天外な形をした自転車に乗りたいとか、作ってくれとかありますから、形で面白いものをやってみたいと思います」

創業からおよそ40年、オートクラフトの工場では、2024年、遊園地で走る予定の「おもしろ自転車」の製造を進めています。

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