葉室麟さんの未発表作を発見 前漢時代の中国が舞台、約90枚

葉室麟さん

 2017年に66歳で死去した直木賞作家、葉室麟さんの未発表作が10日までに、遺品から見つかった。前漢時代の中国を舞台にした歴史小説で、22日発売の文芸誌「小説野性時代 特別編集 2023年冬号」に「不疑」との題名で掲載されるほか、来年1月に角川文庫から刊行される葉室さんの短編集にも収録される。

 KADOKAWAによると、20年秋、葉室さんの荷物を整理した際に遺族が発見した。400字詰め原稿用紙換算で約90枚の中編で、漢の都長安の要職に就いていた主人公「不疑」が、死んだはずの前帝の息子を名乗る男の正体を探る物語。文体や発見時の状況から、初期の作品とみられるという。

© 一般社団法人共同通信社