【エリザベス女王杯/データ攻略】人気一角は”消し”も……ジェラルディーナの「75 or 0%」

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今週は京都競馬場でエリザベス女王杯(芝2200m)が行われる。デビューから全レースで上がり3F最速を記録するブレイディヴェーグと今年の牝馬クラシック戦線を皆勤したハーパー、この3歳勢を迎え撃つのはディフェンディング・チャンピオンのジェラルディーナ。戦前の評価は三つ巴となっているようだ。

ここでは、過去10年データから京都開催の2010~19年を対象に、ジェラルディーナとブレイディヴェーグにフォーカスした「75 or 0%」データを取り上げる。

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■ジェラルディーナに該当の【2.1.0.1】

強力3歳勢に対抗する古馬の筆頭格として連覇を狙うジェラルディーナ。有馬記念3着、宝塚記念4着と牡馬相手でも互角に渡り合える実力は現役馬のなかでもトップグループに属するものだ。前走オールカマー凡走の影響が気がかりだが、データ面での好材料は存在する。

・前走オールカマーかつ年内に関西圏の出走あり【2.1.0.1】

ラキシスやマリアライト、ヌーヴォレコルトがこれに該当。馬券内率に換算すると75%で、混戦ムード漂う今年のメンバーにあって心強い数字だ。

牝馬限定戦のセオリーとして、対牡馬実績は見逃せない要素のひとつ。ラッキーライラックやリスグラシュー、クイーンンズリングをはじめ過去の勝ち馬には牡馬混合のオープンクラス連対馬がズラリと並ぶ。現役トップクラスの牡馬と覇を競った経験値を軽視することはできない。

■ブレイディヴェーグのGI制覇に【0.0.1.11】の壁が

その一方で、危険な人気馬の可能性が浮上してしまうのがローズS2着から臨むブレイディヴェーグだ。デビューから全レースで上がり3F最速をマークする世代屈指の切れモノ。前走勝ち馬マスクトディーヴァが秋華賞2着なら通用の余地はあるが、ここでマイナスとなるデータは?

・前走芝1800mで上がり3F最速【0.0.1.11】

皮肉にも、前走芝1800mで”切れすぎた”ことが足枷に。府中牝馬Sを破壊力満点の末脚で好走したスマートレイアー、ディアデラマドレも当舞台での連対は叶わなかった。京都芝2200mで同様の脚を使うのは容易ではないのだろう。連対率に換算すると”0%”の数字を示している。

秋の3歳トライアル戦を制しつつ、秋華賞を選択しなかったケースで思い出すのはノームコア。同世代にC.ルメールが跨るアーモンドアイがいることから使い分けを図ったと思われるローテーションだったが、ブレイディヴェーグもまた、C.ルメールが秋華賞でハーパー騎乗が決まっていたことから路線変更を余儀なくされたのかもしれない。大きな壁を打ち破るためのハードルは高そうだ。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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