万博、複数国が撤退検討 メキシコは日本へ伝達

大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲で進む建設作業=2日

 2025年大阪・関西万博にパビリオンの出展を予定した複数の国が撤退を検討していることが10日、分かった。このうちメキシコは来年6月の大統領選の結果次第で、出展の予算確保が難航する恐れがあると日本側に伝えた。日本政府や万博を運営する日本国際博覧会協会は引き留めに向け各国と交渉を続ける構え。会場整備費の上振れで国民負担が増す中、実際に撤退が相次げば、開催意義への厳しい見方が広がる可能性がある。

 政府が会場警備費の国負担分として199億円を見込んでいることも判明した。警備費は従来、チケット代などの収益で賄う計画だったが、警備体制強化のため国費を投じる方針に転じた。政府は10日に閣議決定した23年度補正予算案に、会場整備費や警備費の一部を含む万博費用750億円を盛り込んだ。

 関係者によると、メキシコは参加国・地域が自前で用意する「タイプA」と呼ばれるパビリオンを出展する計画だった。日本側の施設を利用するなど他の形式で参加できないかどうかを今後協議するとみられる。

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