さいたま市、オフィス家具メーカー「オカムラ」と協定 市役所にパイロットオフィス設置し実証実験 市長も見学「市庁舎移転を待つのではなく、伸び伸びと仕事できる環境にしていきたい」

自席を自由に選べるグループアドレスに変更された職場を見学する清水勇人市長(奥左)=2日、さいたま市役所

 埼玉県さいたま市は、市職員の働きやすい職場環境や多様な働き方を進めるため、オフィス家具メーカー「オカムラ」(横浜市)と協定を締結した。市役所5階フロアの一部に、同社の協力を得てパイロットオフィスを設置し、実証実験を行っている。

 市行財政改革推進部によると、同部とデジタル改革推進部のレイアウトを変更。3グループの職員28人が対象で、自席を自由に選択できるグループアドレス、オンライン向け個室型作業スペースなどを設置した。デジタル化、ペーパーレス化を進め、大きなロッカーを可能な限り外すことで、机の間隔が以前より広がった。別部署の職員の交流により、新しい施策や組織力の向上が期待されるという。

 実証実験は10月30日に開始し、約2カ月を予定。職員へのアンケートを実施して、検証結果をまとめる。市の担当者は「職員のコミュニケーションやデジタル化への意識変化も期待したい」と話した。

 同社によると、引き出しのない机や打ち合わせスペースなどオフィス家具を無償レンタル。岩手県や名古屋市などの実証実験も協力している。コロナ禍を経て、企業や自治体が働き方、職場環境の改革に取り組んでいるという。同社は各自治体の検証結果を今後の経営に活用していく。

 清水勇人市長と同社の佐藤春徳執行役員らが2日、現場を見学した。清水市長は「だいぶすっきりした。協力していただけてありがたい。市庁舎移転を待つのではなく、デジタル化、ペーパーレス化を進め、職員が伸び伸びと仕事ができる環境にしていきたい」と話していた。

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