政府は10日の持ち回り閣議で、物価高に対応した経済対策を裏付ける2023年度補正予算案を決定した。一般会計の歳出は13兆1992億円。歳入に計上した税収の増加分は1710億円にとどまり、全体の7割近くの8兆8750億円を借金となる国債の増発で賄う。当初予算と合わせると23年度の歳出総額は127兆5804億円、新規国債発行額は44兆4980億円に膨らむ。
一般会計の歳出総額は補正予算を2回組んだ22年度の132兆円を下回るが、100兆円前後で推移したコロナ禍前を大きく上回る。政府はコロナ禍や物価高への対応で膨れ上がった歳出を平時に戻す方針を掲げており、整合性が問われる。政府は20日に補正予算案を臨時国会に提出し、11月中の成立を目指す。
補正予算案の歳出は経済対策の関係経費が13兆1272億円に上った。所得税と住民税が非課税の低所得世帯に対する各7万円の給付金の費用1兆592億円や、ガソリンなどの燃油と電気・都市ガス代の抑制に充てる補助金の追加分7948億円を計上。半導体関連の支援は1兆8537億円とし、企業の投資を促す。
