サンマ水揚げ増も不漁続く 岩手県内、依然として高値

 

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま、東京)は10月末までのサンマ水揚げ量をまとめ、岩手県内は2904トンで前年同期比43.1%増だった。10月は三陸沖に漁場が形成され、不漁が顕著になった2019年以降では最多。しかし10年前と比べると83.0%減で、10キロ当たりの平均単価は2倍以上高く、厳しい状況が続いている。

 全国は1万5471トンで前年同期比40.4%増加。全さんまの大石浩平専務理事は「悪かった昨年よりは増えたが、不漁を脱したわけではない」と説明する。

 今年は小型が目立ち、県内の10キロ当たりの平均単価は、同30.5%安い4937円だった。それでも、10年前の13年の1782円と比べると2.7倍と、高止まりしている。かつての「庶民の味」とは言い難い状況だ。

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